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2013年7月 9日 (火)

爆裂ツアー

5月と6月のそれぞれ最後の土日に行った爆裂ツアーが無事に終了いたしました。

詳しい内容は爆裂サイトにて。

折角なので、その想いや思い出を語ろうかと思います。写真は上記サイトで近日中にアップします。手元に写メが全然ねえw

 

【そもそも爆裂って何ぞ?】

俺が横浜F.A.Dで新人スタッフだった頃(ちなみに今もスタッフやってます)、つまり十年どころじゃ無く前に先輩方が「F.A.Dに出てるバンド、年末にみんな集めてイベントしちゃえばいいじゃない」って始めた年末イベントが「爆裂FxAxD」というイベント。意外に歴史は古いんです。ちなみに「爆裂」という名前の由来は知りません。

 

そしてスタッフが入れ替わってゆく中、気づいたら俺も中心の1人になっていて、時には「YOU達、今年は仕切ってみちゃいなよ」とバンドに主催してもらってみたりしてるうちに「俺達の爆裂」みたいな感じで年末の風物詩みたいになってくれていたんです。一緒にライヴをやらないと同じ県内のバンドでも中々観る機会が無いので、年に一度の「ライヴを観て情報交換」的な役割も感じてます。

 

内容は、ロック系オールジャンルとはいえ時代か土地柄かハコ柄か、今はメロディックパンク方面なバンドが多いけど、それだけじゃねえぞってバンドもキッチリ混ざっているのが特色で、凄く好きな所。イベントとしてはあくまで「横浜バンド忘年会」としての特有のユルさにこだわってます。(俺だけか?)

 

【何で急にツアー?】

「この感じでツアーとかもしてみたくない?」と、誰ともなく言い出したのは3年前位の年末。しかし、ライヴハウス主催のイベントを他のライヴハウスでやるのは中々勇気がいるし、バンド数も多いので実現はなかなか難しかったんです。

 

そんな中、皆がそれぞれに協力していた「東北ライブハウス大作戦」のライブハウスが石巻、大船渡、宮古の3カ所に建ち、爆裂出演バンド達の中でもそれぞれに「行ってみてえよな」って雰囲気に。しかし東北にあまり縁のないバンドや行った事の無いバンドは、どうやったら行けるの?って状態だったんです。

 

そこでOVER ARM THROWヨーヘーの「皆で行っちゃいません?」の一言によって具体的に計画スタート。縁が無きゃ作っちまえば良い。実際、我々STOMPIN' BIRDも東北沿岸部にはこれまでほとんど縁が無かったですし。

 

【東北ライブハウス大作戦とは】

東北ライブハウス大作戦HP

ライヴハウスによく足を運ぶ人にはお馴染みだと思いますが、数々のライヴハウス最前線バンドのPA(音響)を担っている「SPC peak performance」というチームが3.11の震災を経て我々に何かできる事は?と募金や音響機材等を募って、東北沿岸部の特に津波被害が大きく、ツアーバンドが足を伸ばす様なライヴハウスの無かった岩手県宮古と大船渡、宮城県石巻にライヴハウスを作り、稼働させているプロジェクト。

 

ライブハウス大作戦の「繋ぐ」というテーマは、もちろん人と人とを音楽で繋ぐという意味がデカいと思いますが、東北沿岸部のライヴハウスの無かった八戸~久慈、南相馬~いわきの間を「繋ぐ」という意味もあるそうなんです。

 

Tohoku

※この地図はあくまで「東北沿岸部のライブハウス」だけをピックアップしてます。

※僕が知らないだけで、他にもこの地区にライブハウスやライブバーはあるんだと思います。

 

【んじゃ爆裂ツアーのテーマは?】

爆裂に出てるバンドは天の邪鬼(あまのじゃく)で照れ屋な奴が多いし「東北に元気を!」的な熱い気持ちは皆それぞれに胸に有るのはとっくに解っていたので、あえて復興支援といったテーマを掲げず「爆裂をそのままのノリで東北でやってみようぜ」と伝えました。

 

出来たばかりのライヴハウスにとって何かヒントになってくれたら嬉しいし、それぞれのバンドが新しい「繋がり」を持ってくれたら嬉しいし。そういう意味でも各地の地元バンドさんにも出てもらいました。

 

新たに出来た3つのライヴハウス以外の沿岸部に元々あったライヴハウスを「繋ぐ」為に、大作戦のライヴハウスの他に南相馬BACK BEATもプラスしました。本当は八戸や久慈やいわきにも行きたかったけど、今回はこの4カ所。

 

【爆裂ツアーを終えて】

バンド数が多く、機材も大量でライヴごとの転換も大変だけど、総勢約30人の皆がそれぞれに役割を持って動いてくれたおかげで… プロのスタッフを従えまくってるバンドよりも転換が早かったんですけどwww

いや、空気の読める良い子ちゃんばっかじゃつまらないんですが「やる事ぁやるぜ」って奴らが集まってくれたおかげで、先生、非常に助かりました(先生?)。 場所柄、交通の便が良くないので21時位に終わらせたかったんです。そして全日キッチリ21時頃に終演。素晴らしい。

 

そして皆が皆負けず嫌いなので、どの会場でもいちいち尻上がりなグルーヴのある雰囲気の良いライヴでした。その代わり、各地でトリを務めるバンドは常に渡されてくるバトンのデカさに緊張で嘔吐(えず)いてましたけどw そんな中、最終日大船渡の大トリはこれまで爆裂FxAxDのトリ(年越しカウントダウン)を経験し、石巻、南相馬、宮古でトリをやったSTOMPIN' BIRDとOVER ARM THROWとNUBO「以外」のバンドがやる事で新しい風を吹かしちゃおうよって事になり、3本目の宮古でのライヴ後に出演メンバー全員で「大トリ投票」を行ったんです。結果Boobie Trapに決定。彼らは決定した瞬間から嘔吐(えず)いてましたw 実はそんな悪ノリに限りなく近い神聖な儀式も行われていたんです。

 

しかし、地元バンドを各地1バンドずつブッキングしてもらって本当に良かった。石巻でのGREED(女川出身)、南相馬でのSACRIFICE(地元)、宮古でのHI-JUNK(地元)、大船渡でのthe Nice Frankfurt(気仙沼から)と、震災を経験したバンドの言葉と音と想いは本当に胸に響き、どのバンドも「前向きにやってこう」という俺達には持ち得ないその言葉の重さと力に泣きそうになり(つうか泣いた)、いつ内輪ノリになってもおかしくないこのツアーを引き締めてくれました。

 

各地ライヴハウスのボスとスタッフも素敵な人ばかりで。南相馬では店長さんに福島第一原発周辺に住む方々の報道されない現状についてお話ししてもらったり。東北ライヴハウス大作戦の3店舗のボスやスタッフの皆さんは「SPCの人達、人選力ありすぎじゃね?」ってくらい最高な人達でした。バンドもお客さんも関係なく、是非会いに行って欲しいです。

 

そんなこんなで、書ききれないくらい学ぶ事の多いツアーでした。そして気心は知れてるけど一緒にツアーした事の無いバンド同士も多く、すっげ~楽しかったです。本当に良い意味で修学旅行みたいでした。実際54畳の部屋に皆で泊まったしねw (結局みんな疲れてて枕投げが出来なかったのが唯一の悔い)

 

そんなこんなで今後これを機に我々STOMPIN' BIRDも含めて、それぞれのバンドがそれぞれに今回作った「繋がり」でまた東北へ行くと思います。その時はまたよろしくお願いします。

 

つって。

 

「バンド多いしギャラどころか交通費も出せないかも知れないけどどう?」って誘ったのに全然気にせず出てくれたBoobie Trap、Dr.DOWNER、FIRST THINGS FIRST、Mrs.WiENER、NUBO、OVER ARM THROW、SPACE BOYS、誘ったけどスケジュールが合わなくて「超出てえ」って悔しがってくれたバンド、スゲー遠い所から「爆裂やるんなら」って駆けつけてくれたお客さん、ありがとう!

 

各ライヴハウスとのパイプ役を買って出てくれたOVER ARM THROWヨーヘー、ジェラりながらも横浜から御意見番をしてくれたF.A.D夏目くん、ありがとう。お疲れっした!

 

 

さて、次はどこ行く?w

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